この旅の目的地は、最後まで「稚内」でした。
けれど結果から言えば、私は稚内に辿り着いていません。
天候、列車の運行状況、乗り継ぎの不確実性。
その一つひとつを考え、悩み、調べ、相談し、最終的に「無理をしない」という判断を重ねた末の結論です。
行き先を変える、という決断
旅の途中で行き先を変えることは、どこか「負け」のように感じてしまうことがあります。
せっかくここまで来たのに。
もう少し頑張れば行けたかもしれない。
次はいつ来られるかわからない。
そんな気持ちが、何度も頭をよぎりました。
でも同時に、
「この状況で行くことが、本当に正解なのか?」という問いも、ずっと消えませんでした。
登山と同じだ、と思った瞬間
登山でもよくあることですが
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天候が崩れそうなとき
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予定より時間がかかっているとき
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メンバーの体調や足取りに不安を感じたとき
その場で撤退や変更を判断することは、決して珍しくありません。
むしろ、
「引き返す判断」ができるかどうかこそ、経験と責任が問われる場面です。
今回の旅での行き先変更は、まさにそれと同じ感覚でした。
余市、札幌、そして空港へ
結果として私は、
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余市で足を止め
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ニッカウヰスキーを訪ね
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小樽に立ち寄り
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札幌を経由して
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新千歳空港から帰路につきました
当初描いていた「最北端の地」は、地図の上に残ったままです。
でも、不思議と後悔はありませんでした。
それは、この旅が
「どこまで行けたか」ではなく、「どう判断したか」の連続だったからだと思います。
辿り着けなかったからこそ、得られたもの
稚内には行けませんでした。
けれど、
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無理をしない判断
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情報を集め、比較し、決める過程
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状況を受け入れる気持ち
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予定外を楽しむ余裕
そういったものは、確かにこの旅で手に入りました。
登山ツアーを仕事にしている今、この経験は決して小さくありません。
目的地は、一つじゃない
旅も登山も、目的地は地名や山頂だけではありません。
その途中で、何を感じ、どう考え、どんな判断をしたのか。
今回の北海道旅行は、「稚内に行く旅」ではなく、「行けなかった判断を含めて、納得できる旅」でした。
それで十分だったと、今は思えています。

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